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第446回 薬師如来のはなし その1「十二の誓願」
”今でいえば自治体や国の社会保障政策のよう――”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。連日の異常な暑さに、本日一歩も外に出なかった宮澤やすみです。これはこれで不健康なのですが。
そんな中、前回は新潟の弥彦温泉の神・湯神社と「石薬師様」をご紹介しました。
石薬師といいながら仏像はなかったのですが、そもそも薬師様は薬師如来という仏さまのことです。
その名のとおり、薬をもっているのが特徴で、病気を治してくれるというご利益がよく知られますよね。

イスムの薬師如来坐像。左手に薬壺を持っている
でもそのほかにじつはもっといろいろなご利益があるんですよね。
その数、12。
「薬師の十二の誓願」といって、薬師さんが如来(=つまり仏)になるにあたっての公約、マニフェストみたいなものです。
”みなさん!わたしがホトケになったときは、12の誓約を必ず実現します!”
と言われると、思わず期日前投票に行きたくなりますが、ともかく晴れて薬師如来となった仏さま、その12の誓願がそのままご利益として今に伝わっています。
その中のひとつに、病を治すというのがあって、これが一番注目されたのでした。
昔の時代ですから、病気になったら(薬草などあるとはいえ)ほぼ祈ることしかできません。
そんな時にとても頼りになったことでしょう。

武蔵国分寺 薬師堂の薬師如来
ほかにも、貧しいものに衣服を与える(美衣満足)、飢えたものに食べ物を与える(飽食安楽)というのもあります。
これは、困窮して犯罪に走る人を減らすためだそうで、今でいえば自治体や国の社会保障政策のよう。
そんなわけで、薬師如来は国の運営のための仏としても祀られました。
これが「国家鎮護」というもので、奈良時代の朝廷がさかんに薬師如来を祀ったのはこのご利益を期待してのことではないかと思います。
王の悪法によって投獄監禁された人を苦しみから救うというご利益(除難解脱)もあるくらいです。
温泉の健康効果が、薬師如来に結びついたのはわかりやすいですが、奈良時代にさかんに薬師如来の像が造られたのは、病気のことも含めた広い意味での国全体の「現世利益」(この世で生きているうちに享受できるご利益)を期待してのことだったんでしょう。
それでは聴いてください。
薬師丸ひろ子 で「Woman "Wの悲劇"より」(Live)
参考
新薬師寺 十二の願い
https://www.shinyakushiji.or.jp/hope/
■あわせて読む(関連記事)
白鷺が導いた下呂温泉の薬師如来
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20181120-2/
重厚、畏怖の仏像、東京に現る-「神護寺展」薬師如来-
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20240723-2/
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
吉原の酔狂と悲哀を歌った古典小唄集
『廓の夜』 宮澤やすみ(唄、三味線、解説)
https://yasumimiyazawa.com/kuruwanoyorubook.html
歌詞と解説をまとめたガイドブック発売中
※楽曲はYoutube、Spotifyなどで誰でも聴けますが、これがあればよりよくわかる!
宮澤やすみ出演情報(これからとこれまで)まとめ
https://yasumimiyazawa.com/live.html
宮澤やすみ公式サイト:
https://yasumimiyazawa.com
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。連日の異常な暑さに、本日一歩も外に出なかった宮澤やすみです。これはこれで不健康なのですが。
そんな中、前回は新潟の弥彦温泉の神・湯神社と「石薬師様」をご紹介しました。
石薬師といいながら仏像はなかったのですが、そもそも薬師様は薬師如来という仏さまのことです。
その名のとおり、薬をもっているのが特徴で、病気を治してくれるというご利益がよく知られますよね。

イスムの薬師如来坐像。左手に薬壺を持っている
でもそのほかにじつはもっといろいろなご利益があるんですよね。
その数、12。
「薬師の十二の誓願」といって、薬師さんが如来(=つまり仏)になるにあたっての公約、マニフェストみたいなものです。
”みなさん!わたしがホトケになったときは、12の誓約を必ず実現します!”
と言われると、思わず期日前投票に行きたくなりますが、ともかく晴れて薬師如来となった仏さま、その12の誓願がそのままご利益として今に伝わっています。
その中のひとつに、病を治すというのがあって、これが一番注目されたのでした。
昔の時代ですから、病気になったら(薬草などあるとはいえ)ほぼ祈ることしかできません。
そんな時にとても頼りになったことでしょう。

武蔵国分寺 薬師堂の薬師如来
ほかにも、貧しいものに衣服を与える(美衣満足)、飢えたものに食べ物を与える(飽食安楽)というのもあります。
これは、困窮して犯罪に走る人を減らすためだそうで、今でいえば自治体や国の社会保障政策のよう。
そんなわけで、薬師如来は国の運営のための仏としても祀られました。
これが「国家鎮護」というもので、奈良時代の朝廷がさかんに薬師如来を祀ったのはこのご利益を期待してのことではないかと思います。
王の悪法によって投獄監禁された人を苦しみから救うというご利益(除難解脱)もあるくらいです。
温泉の健康効果が、薬師如来に結びついたのはわかりやすいですが、奈良時代にさかんに薬師如来の像が造られたのは、病気のことも含めた広い意味での国全体の「現世利益」(この世で生きているうちに享受できるご利益)を期待してのことだったんでしょう。
それでは聴いてください。
薬師丸ひろ子 で「Woman "Wの悲劇"より」(Live)
参考
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宮澤やすみ出演情報(これからとこれまで)まとめ
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宮澤やすみ公式サイト:
https://yasumimiyazawa.com


