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第361回 淡島通りと下北沢・森巖寺の淡島明神

”「淡島通り」の由来はここからきて--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。週末のソロライブ「チルやすみ」を控えて練習を重ねている宮澤やすみです。三味線ですがギター弾き語りのように昭和平成の懐かしポップスを歌います。

そんな中、前回は世田谷区の石仏や庚申塔をご紹介しましたけど、この石仏が置かれている淡島通りを辿っていくとたどり着くのが森巖寺です。


森巖寺の門前。「粟嶋の灸」の看板がある

ちょうど大河ドラマ「どうする家康」で話題になった、徳川家康の次男・結城秀康の位牌を祀る寺院として慶長13年(1608)に開山したお寺です。


「淡島大明神」の神号が書かれた石碑。道標として「東 あをやま(青山) 南 ゆうてんじ(祐天寺)めくろふどう(目黒不動尊)道」と書かれている

訪れると、森巖寺の門前に大きく「粟嶋の灸」と出ています。当て字になってますが現在の都道「淡島通り」の由来はここからきているのですね。

江戸時代、この施灸が評判になり、行列ができたのだとか。

その由来が森巖寺のHPに出ていますが、それを読んでみると、
初代住職・清譽存廓上人が腰の痛みに悩んでいたところ、夢枕に淡島明神が現われ灸をするとよいと言われて試したところ完治したそうで、そこから灸の評判が広まったとか。


淡島堂。天保7年(1836)の建物で、森巖寺現存最古

この淡島明神ですが、婦人病の御利益でよく知られていて、江戸ではここ森巖寺のほか、浅草寺の淡島堂にも祀られています。

女性の仕事であった針仕事に関連して、使い古した針を豆腐に刺して供養する「針供養」の行事が今も行われています。


森巖寺の針塚

この淡島明神は、紀州(和歌山県)の加太神社が発祥の女神です。
住吉の神の妻だったのが腰の病というか女性特有の「帯下の病」のため紀州に流され、途中で人形を海に流して「流し雛」の源流になったとかいろいろあって婦人病の守り神になったという伝承があります。

で、森巖寺のご住職が紀州の方だったので、地元の神を勧請したということになります。
森巖寺の淡島堂は、境内で現存最古の建物で、大黒天も祀られています。


こちらは境内にある閻魔堂の閻魔と不動明王

興味深いのは、現在の祭神は医薬神である少彦名命となっているところ。
おそらく、明治の神仏分離に際して「●●明神」の名前が使われなくなったことの影響でしょうか。
それでも「淡島堂」「淡島様」の呼称は今も使われています。


すぐ隣は北沢八幡神社。森巖寺は北沢八幡の別当寺でもあった

淡島通りは、渋谷の道玄坂から分岐して調布の甲州街道に合流する古道「滝坂道」の一部を構成しており、古いお寺を結ぶ信仰の道でもあります。


森巖寺の門前は道が入り組んでいて、かつての盛況ぶりを想像する

古道をめぐると歴史が見えてきておもしろいですね。

それでは聴いてください。
デヴィッド・シルヴィアン & ロバート・フリップで、「20th Century Dreaming(A Shaman's Song)」。



(過去記事)
駒場の〆切地蔵と淡島通り
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20231114-2/

下北沢で見つけた”地蔵のような”ナゾの庚申塔
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20230912-2/



森巖寺WEBサイト
https://shinganji.jp/


--おしらせ---

本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報

1.
■■宮澤やすみ ちいさなソロライブ■■
【疲れた身体に チルやすみ】

ちいさなバーで、夕暮れ時にまったりと
疲れを癒す、心地よい三味線の音と歌。
三味線好きな方は至近距離でお聴きいただけるこの機会お見逃しなく。
会場はシックなバー。お茶やお酒とともにくつろいでお過ごしください。

2023年11月25日(土)
16:00開場 16;30開演

池袋ロワンディシー
詳細 http://yasumimiyazawa.com/live.html


2.
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 2.一木造
 3.Shami on The Water
 4.川のほとりで
 5.Benzai-Tennyo
 6.Black Etenraku
 7.北斗星
 8.いけるとこまで
 ほか、付録CDにボーナストラック




宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m