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第362回 東京長浜観音堂の薬師三尊
”一木造ならではの重厚な美を感じる一方、お顔は--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。週末のソロライブ「チルやすみ」を終えて録画データを整理している宮澤やすみです。この後日曜からYoutubeで配信いたします。
そんな中、晩秋の東京は仏像展示がたくさん。そのなかで11月30日で終了するのが東京長浜観音堂の展示です。
薬師如来立像 平安時代 長浜市指定文化財。脇侍の日光・月光菩薩とともに展示
この連載で何度も紹介してきた長浜観音堂。滋賀の「湖北」地域に点在する仏像を期間限定で入れ替えながら展示しています。
今回お出ましは、観音ではなく薬師如来でした。脇侍の日光&月光菩薩もいます。
時代を経た趣のある立像。
正面から見ると少し傾いています。これは、一木造ならではの特徴で、おそらく材料となる木材のかたちを活かして造ったからなのでしょう。
一木造ならではの重厚な美を感じる一方、お顔はじつに柔和でおだやか。
解説によると、顔だけ後の時代に手を入れたのではないかということです。
ボリューム感たっぷりの体つきとおだやかなお顔
衣文線にご注目。「しのぎだった衣文」と解説されていて、平安前期らしい翻波式衣文の風合いが見えます。
平安前期の仏像はこうした重厚感ある強い彫り具合の造形が流行していて、仏像ファンを魅了します。
丸みのある太い衣文、尖った細い衣文を繰り返す大胆な衣文線のことを翻波式衣文という
それにしても、長浜の地域は秀吉ゆかりの地で、観光案内では安土桃山の時代がよく語られますが、仏像はこうした平安時代の古いものが残っているんですね。もしかしたら別の場所で造られたのをここに安置したのでしょうか。
所在地は高月町柏原の八幡神社。
滋賀県随一の大きなケヤキの御神木が有名で、かつては来光寺というお寺だったそうです。
その神社境内に阿弥陀堂があり、ご本尊は阿弥陀如来。その隣の厨子に今回の薬師三尊が祀られています。
地元の人たちに愛され、たくさんの人を見守ってきた薬師如来
この八幡神社は、私がよく行っていた高月の向源寺(国宝の十一面観音がいる)や歴史資料館(私のオリジナルソング「長浜春秋」のCDを販売してもらっている)のすぐそばにあるそうで、いつか現地でも拝してみたいと思います。
それでは聴いてください。
宮澤やすみ&ザ・ブッツで、「長浜春秋」。
(過去記事)
「観音の里」長浜・湖北の魅力とは
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20201013-2/
桜と観音。映像で旅する湖北「長浜春秋」
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20200407-2/
都心で湖北の観音に逢う「東京長浜観音堂」
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20210713-2/
東京長浜観音堂 公式ホームページ
https://kannonnagahama.wixsite.com/website-1
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
■■宮澤やすみ ちいさなソロライブ■■
録画配信
【疲れた身体に チルやすみ】
ちいさなバーで、夕暮れ時にまったりと
疲れを癒す、心地よい三味線の音と歌。
三味線好きな方は至近距離でお聴きいただけるこの機会お見逃しなく。
お茶やお酒とともにくつろいでお過ごしください。
2023年12月3日(日)
20:00から一週間
Youtube宮澤やすみチャンネルで公開
https://www.youtube.com/c/YasumiMiyazawa
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。
こんにちは。週末のソロライブ「チルやすみ」を終えて録画データを整理している宮澤やすみです。この後日曜からYoutubeで配信いたします。
そんな中、晩秋の東京は仏像展示がたくさん。そのなかで11月30日で終了するのが東京長浜観音堂の展示です。
薬師如来立像 平安時代 長浜市指定文化財。脇侍の日光・月光菩薩とともに展示
この連載で何度も紹介してきた長浜観音堂。滋賀の「湖北」地域に点在する仏像を期間限定で入れ替えながら展示しています。
今回お出ましは、観音ではなく薬師如来でした。脇侍の日光&月光菩薩もいます。
時代を経た趣のある立像。
正面から見ると少し傾いています。これは、一木造ならではの特徴で、おそらく材料となる木材のかたちを活かして造ったからなのでしょう。
一木造ならではの重厚な美を感じる一方、お顔はじつに柔和でおだやか。
解説によると、顔だけ後の時代に手を入れたのではないかということです。
ボリューム感たっぷりの体つきとおだやかなお顔
衣文線にご注目。「しのぎだった衣文」と解説されていて、平安前期らしい翻波式衣文の風合いが見えます。
平安前期の仏像はこうした重厚感ある強い彫り具合の造形が流行していて、仏像ファンを魅了します。
丸みのある太い衣文、尖った細い衣文を繰り返す大胆な衣文線のことを翻波式衣文という
それにしても、長浜の地域は秀吉ゆかりの地で、観光案内では安土桃山の時代がよく語られますが、仏像はこうした平安時代の古いものが残っているんですね。もしかしたら別の場所で造られたのをここに安置したのでしょうか。
所在地は高月町柏原の八幡神社。
滋賀県随一の大きなケヤキの御神木が有名で、かつては来光寺というお寺だったそうです。
その神社境内に阿弥陀堂があり、ご本尊は阿弥陀如来。その隣の厨子に今回の薬師三尊が祀られています。
地元の人たちに愛され、たくさんの人を見守ってきた薬師如来
この八幡神社は、私がよく行っていた高月の向源寺(国宝の十一面観音がいる)や歴史資料館(私のオリジナルソング「長浜春秋」のCDを販売してもらっている)のすぐそばにあるそうで、いつか現地でも拝してみたいと思います。
それでは聴いてください。
宮澤やすみ&ザ・ブッツで、「長浜春秋」。
(過去記事)
「観音の里」長浜・湖北の魅力とは
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20201013-2/
桜と観音。映像で旅する湖北「長浜春秋」
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20200407-2/
都心で湖北の観音に逢う「東京長浜観音堂」
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20210713-2/
東京長浜観音堂 公式ホームページ
https://kannonnagahama.wixsite.com/website-1
--おしらせ---
本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報
1.
■■宮澤やすみ ちいさなソロライブ■■
録画配信
【疲れた身体に チルやすみ】
ちいさなバーで、夕暮れ時にまったりと
疲れを癒す、心地よい三味線の音と歌。
三味線好きな方は至近距離でお聴きいただけるこの機会お見逃しなく。
お茶やお酒とともにくつろいでお過ごしください。
2023年12月3日(日)
20:00から一週間
Youtube宮澤やすみチャンネルで公開
https://www.youtube.com/c/YasumiMiyazawa
2.
仏像や古代史を歌ったザ・ブッツの新作アルバム『時の水辺』。
ご購入いただけると活動存続の助けになります。応援よろしくお願いいたします。
プレーヤー不要。スマホですぐ聴けるQRコード付きブックレットです(CDも付いてます)。
詳細のご紹介は
↓↓↓
http://yasumimiyazawa.com/buttz/tokinomizube.html
雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです
収録曲:
1.Fantastic Dystopia
2.一木造
3.Shami on The Water
4.川のほとりで
5.Benzai-Tennyo
6.Black Etenraku
7.北斗星
8.いけるとこまで
ほか、付録CDにボーナストラック
宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m