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第359回 根津権現の六面庚申塔

”文京区内で最古のものだそうで--”
音楽家で神仏研究家の宮澤やすみが、仏像とその周辺をブツブツ語る連載エッセイ。

こんにちは。20周年を迎えた一門演奏会「小唄 in 神楽坂」のネット配信を終えて、あらたな曲の仕込みを始めた宮澤やすみです。カバー曲と、オリジナル新曲もそろそろと思います。

そんな中、トーハク(東京国立博物館)に行った帰りに、上野じゃなくて根津へ坂を下りていきました。そこにあるのが根津神社です。


神仏習合の色が濃かった根津権現社。唐門の奥に社殿がみえる

主祭神は素戔嗚尊(スサノヲ)で、神仏習合時代には本地仏を十一面観音とする神社でした。
明治の神仏分離で「根津権現」から「根津神社」に社号が変わり、仏像も撤去。
十一面観音はどうなったんでしょう。やはり処分されちゃったんでしょうか。

境内で現在みられる仏教の痕跡としては、庚申塔があります。
いやまあ、庚申塔も仏教というより道教の成分が多めですがね。
文京区内で道路拡幅などのため撤去された庚申塔を根津神社の境内にまとめたのでした。


観光客が多く訪れるつつじの丘の奥、境内の片隅にひっそりと設置されている

六基の庚申塔をひとつの六面柱にまとめてあり、ぐるっと廻りながら見ていきます。

一番古いものは寛永9年(1632)のもの。文京区内で最古のものだそうです。
この頃の年表を見ると鎖国政策がはじまり、女歌舞伎の禁止などが見られ、いわゆる江戸時代独特の思想統制がかたち作られる頃。


青面金剛 寛文8年(1668)。台座の下に猿と鶏がうっすら見える


観音菩薩 建立年不明。「庚申供養」の銘文あり


青面金剛 元禄5年(1692)。邪鬼を踏む姿はめずらしいか?猿がうずくまってるようにも見える


延宝8年(1680)の青面金剛と、寛永9年(1632)の庚申供養塔


宝永6年(1709)の青面金剛には、見ざる聞かざる言わざるの三猿がくっきり彫られている

60日に一度、庚申の日に夜を徹して過ごす「月待ち」信仰を記念した石碑が、庚申塔です。
この連載でも何度か書いているので、お時間あったらごらんください。


それでは聴いてください。
エラ・フィッツジェラルドで、「Blue Moon」。


(過去記事)
庚申信仰は江戸のハロウィン?
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20170311-2/

下北沢で見つけた”地蔵のような”ナゾの庚申塔
https://www.butuzou-world.com/column/miyazawa/20230912-2/

--おしらせ---

本コラム筆者・宮澤やすみ関連情報

1.
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【疲れた身体に チルやすみ】

ちいさなバーで、夕暮れ時にまったりと
疲れを癒す、心地よい三味線の音と歌。
三味線好きな方は至近距離でお聴きいただけるこの機会お見逃しなく。
会場はシックなバー。お茶やお酒とともにくつろいでお過ごしください。

2023年11月25日(土)
16:00開場 16;30開演

池袋ロワンディシー
詳細 http://yasumimiyazawa.com/live.html


2.
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雅楽の笙や篳篥も入った独特のサウンドで、「聴いたことないけど、どこか懐かしい」大人むけのロックです

 収録曲:
 1.Fantastic Dystopia
 2.一木造
 3.Shami on The Water
 4.川のほとりで
 5.Benzai-Tennyo
 6.Black Etenraku
 7.北斗星
 8.いけるとこまで
 ほか、付録CDにボーナストラック




宮澤やすみ公式サイト:http://yasumimiyazawa.com
宮澤やすみツイッター:https://twitter.com/yasumi_m