仏像辞典
明王
怒りの炎で穢れを焼き尽くす。ほとけ界の熱血担当
明王(みょうおう)とは?
明王とは、密教における最高仏・大日如来の命を受けて仏教の教えに従わない者たちを忿怒の形相で教化する仏です。大日如来そのものが変化した仏とも伝えられています。
明王(みょうおう)の像容
ほとんどの明王は忿怒の形相(怒りの形相)をしており、手にはさまざまな武器をもっています。手や足、顔の数が違う異形の姿である場合がほとんどです。
主な明王の尊像
■不動明王
不動明王は多くの明王の中でもっともよく知られ、信仰されている尊格です。基本的に1つの顔に2本の腕ですが、1つの顔に4本の腕がある像もあります。
■降三世明王
ヒンドゥー教の最有力神である大自在天(シヴァ神)と妃の烏摩天后を足で踏みつけています。3つの顔に8つの腕を持ちます。
■軍茶利明王
別名ガネーシャといい、日本では聖天として知られています。蛇と装身具を身に着けており、敵を降伏させ、物事を成就させる功徳があります。
■大威徳明王
顔が6つ、手が6本、さらに足が6本という特徴的な姿です。六足尊という別名もあります。また水牛にまたがる姿をしています。
■愛染明王
人々の愛欲を否定するのではなく、欲が持つエネルギーを悟りへの力や向上心にする密教的な考え方を体現した明王です。6本ある腕に、キューピッドのような弓と矢をもつという特徴があります。