仏像辞典
天
武将から福の神、女神まで揃う。仏法を守るほとけ界のSP
天(てん)とは?
もともとは古代インドのバラモン教(古代のヒンズー教)の神々でしたが、仏教に取り入れられ仏の守護神となりました。如来・菩薩の領域と人間との中間に位置する存在です。如来や菩薩、明王が人々を教化して救済してくれるのに対して、天部は仏やその教えを護り人々に現世利益の福徳を与えてくれるのです。
天(てん)の像容
天部は元々インドの神々だったものを護法尊として尊像化したため、さまざまな姿であらわされます。
主な天の尊像
貴人形
■梵天
仏や菩薩を守護します。古代インドのバラモン教の最高神であり、万物の根源となるブラフマー神が仏教に取り入れられて梵天となりました。唐の貴人を模した礼服姿で、人間に近い姿や、顔が4つ腕が4本の姿であらわされます。
■帝釈天
雷を神格化したもので、英雄神です。仏教に取り入れられ、王者・王権を象徴守護尊の役割をになっているのです。
■吉祥天
毘沙門天の妃とされる功徳の女神です。起源は幸福の神で、ヴィシュヌ神の妃のラクシュミーです。
■弁財天
大河の名前が神格化された豊穣の神です。のちに音楽や芸能、福徳の神となりました。
武人形
■毘沙門天
現世利益の仏です。護国あるいは戦いの神として信仰されています。
■四天王
仏教世界の中心に位置する須弥山の四方に配され護っている仏たちです。(持国天、増長天、広目天、多聞天)
■韋駄天
シヴァ神の次男で、不老の生命を有すると信じられていました。仏教に取り入れられてからは、伽藍の守護神と考えられています。